ブラック社畜、ラノベ作家を目指す

20代男。現在社会人。 そう名乗れるのも最早時間の問題かもしれない。 生きていくためにラノベ作家を目指します。

なぜ「異世界転生もの」が人気なのか

 

こんばんは。LEEです。

 

夏のボーナスの支給額が中学生のお小遣いみたいな額でリアルゲロを吐きましたが、今日も私は元気です。

 

本日はここ数年WEB小説・ラノベ界隈において不動の人気を誇る

「異世界転生(転移)もの」

というジャンルついて、個人的な意見を述べていきます。

 

1,「異世界転生(転移)もの」とはなにか?

 

まず、「異世界転生もの」とは、元の世界で死亡した主人公が、異世界と称されるドラクエ的ファンタジー世界で別の人間、あるいは人間以外の種族として生を受け、新しく人生をやり直すことになるという物語ジャンルの俗称です。

最近の代表例としては、「RE:ゼロから始める異世界生活」や、「この素晴らしい世界に祝福を!」などですね。

 

 

 

 

死亡後の転生の流れについては、赤ん坊から始まる場合もあれば、既にある程度成長した状態の身体に精神が宿る場合もあります。

そして、その転生の際に主人公は何らかの特殊能力(例えば強い魔法が使えるなど)を得て異世界へとやってくる事が多いです。

 

それに対し、「異世界転移もの」という似たジャンルも存在します。

これと上記の「異世界転生もの」との違いは大まかに言えば、もとの世界で生きたまま異世界へとやって来るか、それともトラックに轢かれる等の事情により死亡してから異世界へとやってくるかの違いであり、「異世界転移もの」は前者を指します。

よって〈現実世界の記憶を持ったまま現実世界→異世界へ〉という大筋では変わりませんので、この記事では以後「異世界転移もの」も包含して、「異世界転生もの」として述べていきたいと思います。

なお、「ソードアート・オンライン」や「オーバーロード」のような「ゲーム転移もの」もここに含むこととします。

 

この「異世界転生もの」においてテンプレートとしてよくある展開が、

【主人公は元ニートもしくは引きこもりのダメ人間。しかし、転生先の異世界では獲得した特殊能力or現代世界の知識を駆使して大活躍。ヒロイン達にもモテモテで、一大ハーレムを築いてゆく】

というものです。

 

2、WEB小説サイト及び2016年ラノベ売上ランキングにみる異世界モノ占有率

 

ではこの「異世界転生もの」が、一体どれだけ人気なのかを見ていきます。

 

まず大手WEB小説サイトの「小説家になろう」の累計総合作品ランキングを見ていきます。

 

改めて数えてみると、驚愕でした。

2017年6月現在、ランキング上位1位~43位までの全てが「異世界転生」というタグが付いた作品でした。

ちなみに、上位100作品全てが〈ファンタジー〉にカテゴライズされる作品であり、うち95作品に「異世界転生・転移」タグが付いていました。

逆に、そのタグが付いていなかった作品というのが、「スレイヤーズ」や「ロードス島戦記」のような〈異世界生まれ異世界育ちの主人公〉が活躍する作品です。

 

今度は2016年ラノベ売上総合ランキングをみていきたいと思います。

 

・・・結果。

総合売上ランキング上位10作品中、8作品が「異世界転生もの」でした。

というより異世界転生してない上位作品が、ダンまちとお兄様だけでしたね。

 

ただ、ランキング上位50作品程度にまで広げると、「異世界転生もの」の占有率はおよそ5割程度にまで下がりました。

最新の2017年5月ラノベ売上ランキングでは、その占有率は4~5割程度となっております。

いまだそのジャンルは十分に強勢を保っていると言って間違いはないですが、個人的にはわずかに流行が去りつつあるような気もします。

 

3,なぜ、「異世界転生もの」は人気なのか

 

ここでようやく本題です。

以下は全てあくまで私個人の主観であるという前提で、考察に入っていきたいと思います。

 

私は、この理由について大きく以下の通りだと分析します。

 

・「ゲーム慣れ世代」だからこそ世界観の把握がしやすい

・手っ取り早く爽快感を味わえるから

・かつての購読層が社会人になり、「現実逃避・現実嫌い」のレベルが更に上がった

 

 

この3つがヒットの要因としてあったのではないでしょうか。

 

1つ目は解説するまでもなく、ラノベを購読する10代後半~20代のアニメ・ゲーム好きの人々にとって、ある程度規格化されたファンタジー世界というものはやはり理解に易しいものです。小説の冒頭で一々長ったらしい世界観の説明も今更不要だし、剣や魔法といったものも、ある程度ラノベファンにとっては共通知識として既にあるものですから、わかりやすいのです。

 

2つ目は、読者がある意味短気になったのではないか、ということです。

ひと昔の作品ならば、主人公は強大な敵と対峙することとなった際、苦しい修行を乗り越えて、そこでようやく強い力を手にすることができました。ただ、そうした修行シーンというのは往々にして盛り上がりに欠けるものです。そこで、転生に伴う能力獲得という形を用いることで、その修行シーンをスキップし、最初から強い主人公を作り出すことができるのです。

読者を自己投影させるために、現実世界ではあくまでニートや引きこもりといった、低めの立ち位置からスタートさせなければならない。しかし、その主人公が活躍できるまでの修行はやりたくない。そこで、代替として転生・転移という方法が好まれるようになったのではないでしょうか。

昔の「異世界転生もの」ラノベ作品の代表といえる、「ゼロの使い魔」の主人公サイトは、異世界転移系の主人公ながら、わりと修行を頑張っていたイメージがあります。

一方で、最近の主人公はあまり修行しないイメージがあります。(あくまで個人的な感覚ですが)

 

3つ目について解説します。

2000年代後半頃に主な読者層であった当時の10代後半~20歳前後のラノベファン達は、「現実世界の学園で美少女とあれこれ」というラノベの展開に、「自分もこんな風になれたらいいなあ」と、僅かながら現実に希望を抱き、創作の世界に自身の思いを馳せていたのでしょう。

それから10年。時の流れは残酷です。

まだ辛うじてオタクなりにもピュアだったラノベファン達も社会人となり、ドロドロ現実世界の闇に揉まれてすっかり擦り切れ、現実を知ってしまいました。

「現実世界には夢も希望も無いんだ。だからファンタジー世界に転生して無双して、ハーレムを作りたいんだ」

と。無意識にそう考えるようになってきたのかもしれません。

随分無責任な推測だな、そんな根拠どこにあるんだよ、と思われるでしょう。

この仮説には若干の自信があります。

 

だって私がそうだから!

 

高校大学と特にバラ色の学園生活を送るわけでもなく、流されるように就職、そんでもって毎日毎日安月給でサービス残業だらけ、クレーマーの客にはしょっちゅう怒鳴られそれでも働かなきゃ飯が食えない。

こんな世界にどうやって希望を持てっていうんだよこんちくしょうこの野郎!

やっぱこれからは異世界だぜ異世界!凡人は現実世界でいくら努力したってできないことは一生かかっても出来ねえんだよ!けど俺だって異世界に行けば絶対最強だから!究極魔法で悪党を根こそぎぶっ倒し、美少女にモテモテ、ハーレム作っちゃうもんね!

現実にこんな顔も性格も良い美少女いるわけねえだろ!?だけど異世界ならいる!いるね!最高じゃねえか異世界!

ビバ・異世界!!!!!

 

ふう。すっきりした。

話がそれましたね。

まあ口には出さずとも、深層意識ではこう思っているラノベファンが多少なりとも存在するような気はします。そういった現在おっさんにまで成長し、一応ではあれ職に就き、シリーズを買いそろえる経済力を持ったラノベファン層が、こうした異世界転生系ラノベを好んで購入し、結果的に売上に貢献しているのかもしれません。

 

 

このとおり、人気の理由はわかるのですが、やはりどうしても個人的にはこのジャンル、供給過剰な気もします。私でも少し、満腹気味なところがあります。

例えるなら、超美味しいカレー屋があったとして、更に自分が大のカレー好きだったとして。

それでも、毎日カレーばっか食べるのは飽きが来ますよね。

つまりそんな気分です。たまにはラーメンやパスタも食べたくなるのです。

 

それでも、書いていて面白いジャンルではあると思うので、もう少し小説の書き方を勉強してから、いつかチャレンジしてみたいと思います。

 

それでは今日はこのへんで。読んでくださった方、ありがとうございました。

 

 

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